広さ2畳のレンタルオフィスに1年弱住んだ話

不動産会社に入社して3か月、
引っ越したばかりの家の家賃が払えなくなった。

入社したばかりのころは
ろくに歩合も稼げなかったため、
ほとんど破産状態になったのである。

新しい家を探すとしても
家賃を3万円台に抑えないと生活できなかったため、
職場から1時間以上離れた物件や超絶ボロ物件に
住むしかないと思っていた。

しかし、
そんな中、とある広告で『レンタルオフィス』の文字を見つけた。
なんと、職場から歩いて20分くらいの距離にあるし、
家賃もちょうど3万円、光熱費もかからないし
初期費用も0だというのだ。

その建物自体が1年後に取り壊すことが決まっており、
短期であれば安く貸してくれるとのことだった。

しかし問題は、そのオフィスの広さはたったの2畳分しかなかったことだ。

それに、レンタルオフィスに住むなんて
普通の人が聞いたら変態扱いするだろう。

しかし、職場から遠くないし、
何より固定費が安いという何にも代えがたい条件を見て、
私はそのレンタルオフィスに住むという
超合理的な判断をするのであった。

家賃が払えない

不動産会社に転職し、試用期間を経て正社員になったころのことです。

試用期間時代は歩合が入ってこない代わりに月収27万円という
普通に生活できるくらいのお給料をもらっていました。

しかし、正社員になると、基本給が22万円になり、
手取りは10万円台になってしまったのです。

歩合給を稼げばいいのですが、
会社の商品の性質上、不動産を売って実際に歩合が払われるのは
半年~1年後とラグがありました。

歩合給を稼ぐのにも、
しばらくの間は節約しなければならなかったのです。

しかし、歩合が入ってくるのに時間がかかるということを知らなかった私は、
前職を退職するときに家賃7万4000円の物件を契約してしまいます。

試用期間中は生活費もろもろ含めて
何とか払えるだけの給料をもらえていましたが、
正社員になったとたんに家賃を払えなくなってしまいました。

その家に住んでいた最終月は本当にお金がなかったので、
大好きだったPS4をブックオフに売ったり
ソファーをラクマで売ってやりくりしました。

その家を出る最後の方には、家のものはほとんど残ってなかったです。

食費も極限まで切り詰めており、
1斤88円の食パン一切れにキュウリを挟んで食べるという貧乏さ。

もう来月はこの家には住めない…
固定費を削らなければ…

家賃が2万円安くなれば、その分余裕をもって生活できる-

そう思った私は、まずは引っ越すことを決め、
1か月限定で友人の家に転がり込み、家賃が安い部屋を探していきます。

驚愕の神物件あらわる

部屋探しには苦戦しました。

というのも、「3万円台の物件」というラインで部屋を探していたからです。

今まで7万4000円の物件に住んでいたので、
3万円台の物件となると毎月3~4万円は節約できることになります。

それだけ固定費を減らせれば、
余裕をもって生活することができると考えたからです。

ですが、場所は東京です。

家賃が3万円台となると通勤に1時間以上かかったり、
ゴキブリが出そうなボロ家しかなかったり。

会社が京浜東北線沿いにあるため、
通勤時間が長くなることだけは避けなければなりませんでした。

たった10分乗っただけでも
ヘトヘトになるくらい満員電車がひどいからです。

1時間以上も満員電車に揺られて通勤するなんて、
奴隷がすることだと思いました。

それに、通勤が長いと時間ももったいないです。

新しい会社に入って間もない僕は、ただでさえ忙しく、
それに加えて通勤時間までも伸びるなんて嫌でした。

その時間を買ってでも勉強した方が自分のためになります。

多少はぼろくてもいいから、会社から近い物件を探していました。

しかし、場所が東京ということもあり、
会社から電車で10分圏内で3万円台の物件なんて全然ありませんでした。

諦めかけようとしたその時「レンタルオフィス」の広告が僕の目を横切ります。

期間限定!●月×日までなら3万円~
場所:〇〇駅 1分(会社からドアtoドアで15分くらい)

こ…これは…!?

完全の盲点だった選択肢が目の前に現れたのです。

部屋探しをするとき、アパートなどの普通の部屋を探すのが普通です。

レンタルオフィスなんていう選択肢は、SUUMOとかを見ても現れないのです。

それもそのはずです。住む場所ではないですから(笑)

ですが、そのレンタルオフィスは、完全に僕のニーズに一致していました。
安くて会社に近い…

何でそんなに安いのかというと、
そのレンタルオフィスがあるビルを取り壊す予定で、
その取り壊しまでの短期間であれば安く貸してくれるとのことでした。

僕は、レンタルオフィスで住むということがどういうことなのか想像しました。

レンタルオフィスって住めるのかな。
でもドラマで探偵とかが事務所に寝泊まりするシーンってよく見るよな。
オフィスに住むってそういうことなんじゃないかな?

そんなことを考えた瞬間、
もうレンタルオフィスに住む選択肢は“アリ”になっていました。

友達にも一応相談しましたが、当然理解されるはずもなく、

君ってやっぱり変人なの?

と嘲笑された記憶があります。

ともあれ、自分のニーズを満たしている物件なのです。

見るだけならタダだし、一回内見してみよう

と、後日内見に行ってみることにしたのです。

まず建物は、8階建ての大きくもなく小さくもない雑居ビルという感じで、
取り壊しにするような古い感じもしない、まだまだ使えそうな建物でした。

そして、肝心のオフィスの中身はというと、、、

狭っっ・・・・・!!!

たったの2畳くらいのスペース。

一般的な家のお風呂場くらいのスペースしかったのです。

2畳のスペースに壁にカウンターデスクとデスクチェアがあるだけ。

窓もない四角い空間。

トイレはよくある会社の共有トイレ。

お風呂は当然ない。洗濯機置き場もない。

普通の人だったら、完全にアウトでしょう。

だって、あの部屋を見て普通に生活ができるなんて思わないのですから。

ですが、事務員の女性が部屋から出ているときにオフィスで横になり、
ギリギリ寝られるくらいの広さであることを確認した僕は、
そのオフィスを借りることを即決してしまったのです。

よし、寝るには十分な広さだ。
シャワーはジムのシャワーを使えばいいし、
洗濯はコインランドリーが近くにある。
デスクがあるから普通に仕事もできるな。
1畳分は仕事用に使って1畳分は寝るスペースにしよう。
どうせ会社から帰ってきても夜遅いし寝るだけだし、
今は耐えて将来もっと大きい家に住めばいい。

事務員の女性に、
寝泊まりしてもいいかとか聞きたいことを聞いて
すべてOKだったので、その場で申込用紙にサインしました。

その時の条件はこんな感じ。

1024x616 - 広さ2畳のレンタルオフィスに1年弱住んだ話

月3万円の会社から15分のレンタルオフィスに住むことが確定したのでした。

これを書いている今の僕は、当時の僕を変人だと思っています。

ですが、極めて合理的な判断をしたとも思います。

安くて会社に近い物件に住めるのですから。

他人にいくら白い目で見られようが、
固定費をカットするためには仕方ない。

他人の目なんて気にしてられないのです。

ワクワク快適

レンタルオフィスは普通のベッドは置けない広さだったので、
近所のドンキホーテで買ったエアーベッドで寝ていました。

そこでの生活は、意外にも快適でした。

目論見通り会社に行って帰ってきて寝るだけの毎日を繰り返していたので、
レンタルオフィスは寝るためだけの空間として正に最適。

窓がないので光が差し込まない。真っ暗。

隣の部屋に人はいない。というか隣に部屋がないので全く音がない。

物はすべて捨てたので誘惑が一切ない。

だから寝るしかできない。そんな毎日でした。

もちろん住み始めてから数日は、
「俺、何でこんなことしてるんだろう」と
少しだけ思ったこともありましたが、すぐに慣れました。

それどころか、「隠れ家に住んでいるようで楽しい♪」と
次第にワクワクするようになったのです。

月の家賃も3万円しかかからないので、
余裕を持った生活ができるようになりました。

食べ物にも困らないようになりました。
といっても隣にあるすき屋やスーパーの弁当ばっかり食べてましたが。

それだけでも家賃を切り詰めた意味があったというものです。

おかげで生活苦の悩みから解放され、
仕事だけに打ち込める環境を作り出すことができました。

レンタルオフィスに引っ越した結果、仕事でもいい成果を残すことができたのです。

凍えそうな夜

快適なレンタルオフィス生活でしたが、
一度悩まされた事件がありました。

それは『オートロック締め出され事件』です。

ビルの1階のエントランスは自動ドアになっており、
夜10時を過ぎるとカギがかかります。

ビルから出る時は普通に開くのですが、
入る際にはカードキーが必要になります。
ある時、何も持たずにビルから出てしまい、
気づいたときにはすでにエントランスが閉まっていて開けられなかったのです。

これはもうカードキーを忘れてビルを出た僕が完全にいけないのですが…

次の朝6時くらいにならないと絶対にエントランスは開かないのです。

普通の家なら他の住民が帰ってきたり出てきたりする可能性もありますが、
ここは雑居ビルです。夜10時を過ぎると、人の気配は消えており、
エントランスが開くことはありません。

財布も持たずにビルから出てしまった僕は、
どこかホテルなどに泊まることもできず、
ファミレスに行くお金も持ち合わせていません。

時期は12月。

野宿するにも凍死すると思ったので、
ひたすら東京の夜を闊歩して寒さをしのぐしかできませんでした。

最終的には、ジムのキーを持っていることに気づいたので、
ジムの中で朝まで時間を潰しました。24時間のジムに契約しててよかった…

レンタルオフィスからの脱出

そんな事件とも呼べない事件がありながら、特に大きな事件は起きず、
レンタルオフィス契約期間の満了を迎えました。

1年弱レンタルオフィスに住み、
その間にわずかながらにお金も貯めることができました。

レンタルオフィスに住んでみて気づいたことは、
『無駄なコストは掛けなくてもいい』ということ。

家賃の高い家に住んで自分を鼓舞するというタイプの人間もいますが、
日本人の大多数はそうではないと思います。

私は月々の支払いに悩まされると、自分を鼓舞するどころか、
モチベーションが下がって仕事のパフォーマンスも下がってしまっていました。
大体の人はそうなのではないでしょうか?

起業をする際も同じことが言えるのですが、
無駄なコストをかけてはいけないのです。

起業初期は特に、キャッシュフローが命です。

キャッシュが枯渇してコストを払うことができなければ会社は倒産します。

広い家に住みたいと思うのは、人間の当然の欲求です。

でも、お金持ちになる過程では家に色々求めなくてもいいのです。

まずはキャッシュの安定を目指し、仕事に集中し、
死ぬほどお金を稼いでから広い豪邸に住めばいい。

中途半端な家に住むくらいなら、極小で格安の家に住んだ方がいい。

『成功したいなら最上級のものを用意しろ』
そんなことをいう人がいるけど、本当に必要なのかどうかを考えてほしい。

何でもかんでも最上級のものをそろえたら、それだけで破産してしまう。

本当に使うべきことにお金を使えなくなってしまう。

最高級のパソコン、キーボード、全然いらない。

それがあったってあなたの月収は100万円にはなりません。

かといって、お金をただ貯めるだけでもお金持ちにはなれません。
家賃で月3万円貯めたって、そんな貯金は微々たるものです。

節約して得たお金は、少しの消費と残りは全額投資してください。

「ここにお金を掛けたら稼げそうだ」
そう自分が思うものに投資してください。

オススメは「自己投資」です。

モチベーションを上げるために高いものを買っても、
あなたの能力が低ければ何の意味もない。

株を買っても微々たるお金では利回りが低すぎてろくなお金になりません。

モノとか株に投資するのは上級者が余ったお金ですることです。

まだお金がなく、自分の能力も高くないと感じているなら、
少しでも固定費を減らし、自分の能力に最大限投資してください。

自分に投資したお金は、モノや株と違って、
何十倍、何百倍にもなって自分に帰ってきます。

月に3万円ずつ自己投資するだけでも、
1年間で36万円投資できることになります。

1年間でそんなお金を自分の成長のために使っている人って
周りにいるでしょうか?

そして、そんなお金を使うことを想像すると、
「えーそんなお金を自分の成長に使うってなんかもったいない」
そんな風に考えている人も多いのではないでしょうか。

だから自己投資をすると成功できるのです。

自己投資する人が少ないから、
あなたが自己投資をすると成功できるようになっているのです。

自己投資をするためにはお金が必要になります。

本を買うのも1冊2000円とかかかってしまいます。

その本を買うお金を作るために、まずは日常の固定費を節約してみてください。

きっとあなたの人生を切り開くきっかけになると思います。